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舞い降りた天使
第6章 裏切り
「邪魔すんなよ駿太」

そう言ってから
真穂に電話に出てもいい?
とジェスチャーで聞くと
真穂は
手で口元を隠したまま
コクコクとうなずいてみせた

か、かわいい。

くそっ
マジで駿太邪魔

「なんだー駿太ー」

やや機嫌悪そうに電話に出ると
駿太はそんな状況を察したのか
いきなり

「かけ直す?」

と言ってきた

こーゆー気の利くとこ
やっぱり姉ちゃんに似てんなーと思う

「察しがいいじゃん!
お取り込み中だからさ
話長くなるなら俺からかけ直すよ。
うん、うん
わかった。
じゃ後でな。
変な妄想すんなよ!
ちゅーがくせー(笑)
じゃあな」


電話を切って
真穂の顔を見ると
真穂はもう手を下ろしていて

「ちゅーがくせー?」

と首を傾げた

だめだ…
真穂が何をやっても
キスしたくなる

「駿太は
姉ちゃんの一人息子。
今中ニでさ
まー色々
女親には聞けない悩みいっぱいの
中二病発症中(笑)
俺の大事な弟みたいな存在」

あーなんだか
俺も現在中二病みたいだけど

「そーなんだ」

駿太の話をすると
真穂は
すごく優しく微笑んで
なんてゆーか…
お母さんの顔をした

「その顔いいね」

「え?」

「俺、真穂ちゃんの
その顔すごくいいと思う」

「え、何?
どんな顔?」

真穂は
慌てて顔を赤らめた

「優しいお母さんの顔してた」

「あー…
できの悪いお母さんだけどね(苦笑)」

「言ったろ?
子供のこと頑張って
愛情もって育ててたら
それはもういいお母さんなんだって」

「ありがと」

真穂は
ありがとうと言ったけど
心の中では多分
でも自分は…と
思ってそうな顔をしていた



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