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やさしく触れないで (旧タイトル 甘味のベッド)
第1章 ワタシは風俗嬢

うー、と唸りながら、男は、ワタシの身体にぐったりと倒れ込み、そのあとゆっくりと起き上がった。



「ハァ……もう歳かなあ。続かないや。我慢できないよ。嫁さんとはずっとレスだし。この瞬間だけが僕の幸せ。毎度気持ちよくさせられなくてごめんね。」


「そんなことないですよ。相沢さんとのえっち、ワタシは好きですよ。」


「本当?よかった。また来週くるからさ。」



「ありがとう待ってる」



男の汗をタオルで拭き取り、一緒にシャワーを浴び洗い流した。



シャワールームから出た男の顔は、スッキリした表情。


そしてエッチしていた時のだらしない顔ではなく、もう外向きの顔に変わっていた。


中年ながらも、スーツをキチッと着こなし、ネクタイもきまっていた。まるで、何もなかったかのように。



布団の横に置いてあったアラームが鳴る。


もう、時間だ。

終わりの合図。


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