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最後の恋に花束を
第4章 高校三年の春
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私は高校三年になり、彼氏のユウは高校二年になっていた。彼と付き合い始めてから、以前のように書道室に遙が来る事はなく、遙の友達のヒロと連絡を取ることもなくなった。
登下校時はユウが私の隣に居て、まるで忠犬のような感じであった。
付き合って半年が経とうとしている頃、学校終わりに彼の家へ遊びに行くことになった私は、初めて彼の家へお邪魔していた。
「 あ、懐かしいこのマンガ… 」
彼の部屋に案内された私は、片付けられた本棚に目を向けていた。
『 先輩、それ好きなんですか?』
「 そうなの、面白くってね〜… 」
手に取った漫画は、ただのギャグ漫画だ。男子高校生が主人公で日常の中に笑いがある漫画で、小さい頃に読んで笑っていた記憶を思い出した。
『 その主人公、なんか、あの人みたいですよね 』
「 あのひと? 」
『 ほら、前まで先輩につきまとってた… 』
その言葉を聞いて、遙のことを思い出す。あれから連絡は取っていなかった。廊下ですれ違っても言葉を交わすこともなかった。
「 … はぁ 」
遙のことを思い出して、つい溜息が出た。彼のことを思い出すたびに、あの目に焼き付いた表情が出てくるうえに心臓が、痛む。
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