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最後の恋に花束を
第4章 高校三年の春
『 センパイ。』
ハッとして顔を上げると、私の顔を覗き込むユウの顔が近くにあった。
『 またあの人の事考えてるんですか 』
「 いやっ… ちがうよ 」
『 嘘つかないでください。』
ムッとした表情の彼は、突然私の肩を掴んだ。
「 なっ…なに? 」
『 俺、先輩の彼氏なんですよ 』
掴んだ手にギュッと力が入れられ、肩を掴んだままドサッという音と共にベッドに押し倒され、私の身体の上にユウが跨った。
「 いっ… 痛いから… 」
『 ていうか先輩、警戒心なさ過ぎません?』
「 けっ… 警戒心って… 」
彼を見上げると、スルリと自分のネクタイを外している。その姿がどこか色っぽく感じて、心臓が高鳴り始める。
「 だって、ユウ君は…私の彼氏…なんでしょ… 」
彼の家に上がる、と言う時点である程度の覚悟はして来たつもりで居た私は、なんとなく、予感していた。
『 じゃあいいですよね 』
そう呟いた彼は、
突然私の唇に自分の唇を押し付けた。
まるで… 獲物を喰らうかのように。
唇が重なり合う感覚はとても久し振りの感覚で、一気に身体が熱くなる。
チュッ チュッ… とリップ音が静かな部屋に響き渡り、その度に私の息は荒くなっていく…
キュッと目を瞑ったままキスを受け入れていると、太ももに冷やっとした感覚が伝わり、身体がビクンと跳ねた。