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君に熱視線゚
第50章 番外編


何時からいたんだ!?…


スリッパで悟の所へ逃げ出した苗はそのまま晴樹に実家へ連れて行かれている。


よって──苗の靴は玄関に置いたままだ。


ほろ酔いの晴樹は玄関にちょこんと置かれたスリッパに気づくことが出来ずにいた。


戸惑いを見せながらも晴樹の頬が緩む──


自分の家だから帰ってきて当たり前。でも晴樹は実家に連れて行った筈の苗がこっそり戻ってきてくれていたことが何よりも嬉しかった…


晴樹はそっと布団を捲った──


ベットのスプリングがしなり晴樹の重みでゆっくりと沈んでいく。



「なえ…」


小さく呼び掛けると顔を覗き込むように近付いた晴樹の影が苗の上に落ちる。


ふんわりと鼻孔を擽るシャンプーの香り。


自分と同じ匂いが香るのは、苗がここでシャワーをした証拠でもある。


横を向いていた苗の髪を耳に掛けると露になった白い耳たぶに晴樹は唇を押し当てていた。

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