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君に熱視線゚
第51章 番外 後編


甘ったるい快楽、幸せなひととき──


本当なら披露宴後の二次会が済み次第、最終便で渡米するばすが思わぬ恋敵、悟の出現で急遽延長した日本滞在。

それも朝を迎えた今、残すは明日までとなってしまった…

またも御預けになるかと思った苗とのこのひととき。

強力な助っ人、オカン(咲子)のお陰で事なきを得たが、自分が不在になってしまえばまた何が起きるかわからない……


“苗っ!俺、×イチでも全然気にしないからっ──”


アイツもまだ諦めてないし…


控え室で白無垢姿の苗に叫んだ夏目の言葉を思い出す。

まだまだ前途多難だ…

「なえ…」

晴樹は苗を見つめた。


「始業式迄には帰るから……浮気するなよ…」

顔を赤くして頷く苗の頬を軽くつねる。つねった後に優しく唇を充てると晴樹は枕元の両脇で絡めていた苗の手を自分の肩に回した。

四月の始業式まで二週間。

NY支社での起業の段取りも殆ど調整出来た。あとは日程通りにイベントを済ませればいいだけ。

「なえ……帰ってきたらいっぱい抱くからな」

「……!?…」

晴樹は抱き付いた苗の腰を引き寄せる。

向こうに行ったらまた暫く苗とは逢えなくなる。

知ってしまったこの温もり──

手離したくない想いだけが溢れてくる。


苗の体温を惜しむ様に律動を早めて熱い吐息を吐くと、晴樹は苗を抱き締めたまま深い眠りに着いていた──。

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