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第5章 青い鳥の唄

青山の瞳はもう笑ってはいなかった。
慈しみの純粋な強い眼差しのみが、藍を見つめていた。

「…あんた…」
「史郎と呼んでくれないか？親しい人にはそう呼ばれているんだ。
…特に、愛おしいひとにはね」
…もう元のいつもどこか人を食ったような朗らかな青山であった。
藍はむっと唇を歪め、切れ長の瞳で思い切り青山を睨みつける。
邪険に手を振り払い、悪態を吐く。
「何が愛おしいだ！ふざけんな！オヤジ！
ちょっとほろっとして損した！」

青山は高らかに笑った。
そして気障な仕草で胸に手を当て、にやりと笑うとこう告げた。
「いつかきっと君は私を史郎と呼ぶよ。
…私には未来が見えるのだ」