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エメラルドの鎮魂歌
第6章 招かれざる訪問者
…幾度目の性交か、もはや分からない…。
八雲は一向に衰えを知らぬ絶倫の欲情で瑞葉を犯し続けた。
「…あ…ああ…も…う…おかしく…なる…」
泣きじゃくりながら、訴える。
極めすぎた悦楽の絶頂は、瑞葉には恐怖ですらあった。

…いつもなら八雲は、瑞葉に過ぎた性交は決して強いなかった。
瑞葉の身体を気遣い、自分の欲望は押し殺した。

…しかし、今夜は…。

まるで…別人のようだ…。
八雲は普段の冷静さをかなぐり捨てたかのように、熱く激しく瑞葉を求め続けた。
ことに、瑞葉の中に精を放つことに執着をした。


…まるで…瑞葉を孕ませようとするかのように、執拗に熱く大量の精液を、瑞葉の肉の中に注ぎ込んだのだ。
「…分かりますか…私の精が…貴方の中で溢れているのを…」
力強い律動を繰り返し射精しながら、瑞葉の薄桃色の耳朶に吹き込む。
「…わか…る…おなか…のなか…あつくて…もう…は…あ…っ…んんっ…」
白い肌に痕が付くほどに強く、か細い腰を引き寄せる。
打ち付けるたびに熟れた淫孔から溢れ出る白濁した精液が、透明な湯と混じり合う。

…勿体ない…。
これが全て、瑞葉の肉に吸収したら、この世にも美しく稀有に無垢で淫らな愛おしいひとを孕ませられるかもしれないのに…。

八雲は万感の思いを込めて、その淫らな肉壁に執拗に精を塗り込める。
「ああっ…!…また…いっ…ちゃう…いや…ああ…」
瑞葉の腰が湯に沈むのを無慈悲に引き上げ、背後から顎を掴む。
「私の子を孕んでください…。
…そうすれば…」
腕の中の美しすぎて…愛おしすぎて愛憎半ばする唯一の恋人を見つめる。

薄紅色の可憐な唇が、震えながら言葉を刻む。
「…八雲…愛してる…」
潤んだエメラルドの瞳から溢れ出る涙は、凝固して水晶へと変わるかのように見えた。

…美しい…。
幾度抱いても…どんな痴態を晒させても…このひとは決して穢れることはない…。
翡翠の池に咲く白い蓮の花のような聖なる清らかさだ…。

震えるような感動と情動に駆られ、その傷つきやすい花のような唇を激しく奪う。

「…愛しています…貴方は私の…」
…意識を遠のかせた瑞葉は、その先の言葉を聞くことはなかった…。

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