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エメラルドの鎮魂歌
第1章 罪と嘘のプレリュード
同時に八雲の手の中に広がる熱い蜜の迸りを、湯の中で感じた。
…瑞葉様の…精だ…!
瑞葉の愛蜜はやがて白濁した湯の中にとろりと溶け入り、跡形もなく消え去ってしまった。
しかし八雲の手の中の可憐な花茎は、細かく痙攣を繰り返し、健気に初めての射精の快楽を訴えていた。

八雲の牡は痛いほどに兆していた。
「…ああ…んっ…八…雲…」
初めての射精に全身で感じ入り唇を震わせる瑞葉を、強く抱き竦める。

薔薇色の唇が半開きになっているのを見た刹那、八雲はその顎を引き寄せ、思わず唇を荒々しく奪っていた。
「瑞葉様…!愛しています…!」
初めての口づけ…初めての愛の告白であった。

瑞葉は驚いたように翠の瞳を見開き…やがて恍惚とした表情を浮かべながら、微笑んだ。
「…ぼくも…愛してる…八雲…」
口づけの合間に瑞葉の告白を受け、八雲は更に激しくその花の唇を貪る。
柔らかな唇を舌でこじ開け、白い歯列を割る。
震える瑞葉の舌を捉え大胆に絡め、その甘い吐息ごと奪う。
「…んんっ…は…ああ…っ…ん…」
初めての射精の快楽に加え、初めての濃厚な口づけに、瑞葉の初心な身体は痺れるような快美感に打ち震える。

愛おしげに丹念に口づけを繰り返し、ゆっくりと唇を離す。
それを名残惜しがるように、瑞葉は自分からそのほっそりとした白い手を伸ばし、八雲の端正な貌を引き寄せる。
「…もう一回…キスして…」
翠の美しい瞳が深い官能を湛えて八雲を見つめていた。
「…瑞葉様…!」
呻くように低く叫ぶと、八雲は湯の中から瑞葉を掬い上げ、熱く激しい口づけを繰り返した。
「…愛しています…!…ようやく…貴方に触れられた…!」
「…ああ…八雲…愛して…る…」
強く抱けば、淡雪のように溶けてしまいそうなその身体を胸に抱き込む。

…もう二度と戻れない…。
苦い後悔と、それに勝る比類なき幸福感を八雲は噛みしめる。

瑞葉の白い膚は今や薫り立つような薄桃色に染まり、浴室はむせ返るような薔薇と伽羅の香気に包まれていた。

二人の激しくも甘い官能の吐息は、いつまでも止むことはなかった…。


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