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エメラルドの鎮魂歌
第3章 禁断の愛の果実
「…ああ…っ…も…だめ…八…雲…」
瑞葉の掠れた甘い声が、部屋に響き渡る。

窓辺のランプの仄灯りに、瑞葉の﨟丈けた美しい貌が浮かぶ。
その貌には匂い立つような色香が漂い、男の獣性を狂おしく刺激する。

その白絹の夜着ははだけられ、白い肌に浮かぶ可憐な鴇色の乳暈が見え隠れする。
男に抱えあげられた細い腰…白く美しい形の脚…。
それらは少年期の青い幼さから脱皮し、大人らしい優美なラインを描きつつあった。

八雲の腰に押し付けられた花茎は、細っそりと美しい少年の象を留めたままである。
健気に兆している花茎を、己れのスラックス越しに勃ち上がる硬い牡で押し潰すように刺激してやる。
「…や…あ…は…ああ…ん…っ…も…む…り…」

無意識に揺らめかす細腰は、次なる快楽を求めている。
「達きたいですか?瑞葉様…」
エメラルドの瞳は涙に潤み、その紅い唇は甘い吐息をもらしている。
「…達きた…い…」
桜色の胸の飾りをやや強く弄ると、瑞葉の花茎は更に芯を持ち兆してきた。
「…んんっ…そこ…やだ…」
いやいやをすると、金色が増した蜂蜜色の髪が妖しく乱れる。
八雲は薄く笑った。
「…ここで達けるように、慣れていただかなくては…」
「や…だ…はずかし…い…」
胸に縋り付かれ、八雲は苦笑する。
「仕方がないですね。…今夜は許して差し上げましょう。
…その代わり…貴方からキスしてください」

胸を解放された安堵から瑞葉はほっと表情を崩すと、男の冷たいまでに整った端正な貌を引き寄せ、唇を合わせた。

柔らかな形の良い唇で、男の唇を優しく愛撫するように押し開き、舌先で白く整った歯列をなぞる。
滑らかな薄い舌が大胆に歯列をこじ開け、男の舌を求める。
探り当てた熱い舌を絡ませ、甘い吐息を交換するように弄り合う。
「…んんっ…八…雲…すき…」
口づけの合間に見つめ合い、更に濃厚に舌を絡め合う。

「…キスがお上手になられましたね。瑞葉様…」
八雲は低い美声に色香を滲ませながら、瑞葉を寝台に深く沈める。
艶やかな金色の髪が枕に豊かに散らばり、伽羅の薫りを放つ。
エメラルドの潤んだ瞳が、男を誘うように瞬かれ…仄かに微笑った。

…瑞葉はこの春、十八になった。



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