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第4章 美しき森の虜囚

八雲は改めて瑞葉の華奢な腰を掴み、最奥まで猛り狂った牡を突き入れた。
「そうですよ…私が貴方を変えたのです。
…私好みに…私だけの貴方に…。
貴方を変える権利は私だけにあるのですから」
「んんっ…！…ああ…っ…そんな…つよ…い…」
激しく突かれ、瑞葉はか細い上体を仰け反らす。

「…瑞葉様…！」
…不思議だ。
このひとと深く交われば交わるほど、愛おしさと同じだけ、激しく壊してしまいたくなる衝動がせり上がってくる…。
大切に愛おしみたい気持ちと同じくらいに、その華奢な身体を抱き潰し…玻璃のように脆く繊細なその存在全てを握り潰してしまいたくなる衝動に駆られるのだ。
…全てを奪い…この手で…その命すらも…！

八雲ははっと我に帰る。
瑞葉の白く美しい肢体が激しい快楽に耐えきれず、気を失いそうに、ぐったりと伏していた。
「瑞葉！」
身体の繋がりは解かぬまま、八雲は瑞葉の顎を後ろから引き寄せ、唇を合わせる。
「…んっ…は…あ…っ…」
熱い吐息を吹き込まれ、意識を取り直した瑞葉を八雲は強く掻き抱く。
「…愛している…どうしようもないほどに…。
私は…貴方が…貴方が…」
「…八…雲…？」
霧のように霞んだ眼差しで、男を見上げる。
翠の瞳を見つめながら、唇を奪う。
濃密な口づけを繰り返し、再び律動を始める。
「…ああ…また…おおき…く…いや…あ…こわれ…る…」
淫らな譫言が美しい唇から漏れる。
「…貴方を…壊したい…私の手で…！」
力強い律動は、速さを増し…瑞葉は羽根枕に貌を埋め、掠れた悲鳴を上げる。
「…んんっ…ああ…達…く…もう…いっ…ちゃ…う…」
快楽に身を任せ始めた瑞葉を犯し尽くす。
可憐な花環は今や、長大な男の牡を限界まで飲み込み、その珊瑚色に濡れた淫らな内部を曝け出しながらも、悦楽に震えている。

瑞葉の絶頂が近いことを察した八雲は、崩れ落ちそうになる身体を抱え直し、激しく腰を打ち付ける。
「…瑞葉…貴方の中に…出しますよ…私の種を…たくさん…受け止めて…瑞葉…」
…そして…その耳朶に囁いた。
「…貴方を…孕ませたい…」
…その言葉の例えようのない背徳感に、全身が総毛立つほどの悦楽を感じる。
…それは…毒を含んだ…しかし甘い抗い難い快楽であった。

…瑞葉の翠の瞳が微笑った。
「…だして…八雲…僕を…孕ませて…」
…その聖なる淫らさに、八雲は麻薬の様に溺れるのだ。