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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第1章 プロローグ

「はぁ…」

今日は久しぶりに会社の飲み会があったが、早々に酔っ払った後輩の介抱をしていたら、あっという間にお開きの時間に…
アイツ結構酒癖悪いから、今度から気を付けないと…

行きつけのバーで1杯キメたかったが、今から行って飲む気にもなれず、コンビニで適当に酒とツマミを買って家飲みする事にした。

俺が住んでるマンションに差し掛かると、誰かが壁にもたれ掛かって座り込んでいた。
そっと近付いてみると、よく見知った人物だった。

「翔太くんか…?」

翔太くんとは、俺の行きつけのバーで働く寡黙な青年だ。
しっかりしているイメージの彼がどうしてこんな所で…

「大丈夫か…?」
「……」

顔を近付けると、相当飲んでいるのか酒の匂いがした。
しかも、よく見ると唇の端が血で滲んで、擦り傷も出来ている。

「おいどうしたんだ!?その怪我…」
「……」

泥酔して眠っているのか返事が無い。
流石にこのまま放って置く訳にもいかんな…



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