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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第12章 彼女の真似でもしてくれるの?

iPadを取りに来られないほど怪我が酷いのかな?

「原田さんは取りに来られないんですか?」
「うーん、来られるとは思うんですけど…包帯の様子を見て『何かしらのトラブルに巻き込まれたのでは?』と皆に噂されると困りますからね…私も怪我の原因はよく分からないんですけど…」

バーでトラブルに巻き込まれた事は皆知らないみたい…
知られない方が繁正さんが余計な事を言われなくて済むから良いのかもしれない…

iPadも近くに住む私なら帰りに届けられるけど、下っ端の私が率先して届けようとしたら篠宮さんに変に思われるだろう。

会えるかどうか分からないけど、繁正さんのマンションに寄ってみようか…
…そう思いながら、午後も仕事に勤しんでいると、再び部長から呼び出しが。

「佐々木さん、ちょっとお使いを頼まれてくれないかな?」
「お使いですか?どこの部署ですか?」
「いや、仕事が終わってからで良いんだけど、コレを届けてくれないかな?」



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