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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第15章 大事なものが離れていく

「パソコンより原田さんのこと見つめてるんだけど…」
「仕事にならないよね」
「…彼女としてどうなのよ、アレ見て」
「ええっと…」

ベタベタされているけど、繁正さんから嫌そうなオーラが出てるから大丈夫…

「気にしてないよ」

私が気になるのは、お見合いの事だけ…

「さっすがー。でも職場で顔を合わせるのもあと少しだねー
「えっ?」
「監査の仕事は8割方仕事は終わってるらしいよ。あと3週間くらいかな?」
「そっか…」

繁正さんと同じ職場で働けるのもあと少しなんだ…

「おい、何コソコソ話してんだ?仕事してっか?」
「きちんと仕事してますよー。舞ちゃんが元気無さそうだったんで、話聞いてたんです」

「何、佐々木ちゃん落ち込んでるの?」
「あ、えっと…ちょっと…」
「元気の無い時は美味い飯を食って、元気を出せばいい」

するも滝沢さんは私の真横に椅子を付けて、小声で話し掛けてきた。

「2人でランチに行かない?美味いお店教えるよ」
「いえ、今日お弁当なので…」
「あー、残念。フラれちゃった…」
「ちょっと滝沢さん、舞ちゃんに手出さないで下さいよ」
「おい西島、お前が口出す事じゃねえだろ?」




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