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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第15章 大事なものが離れていく

繁正さんに抱きしめられていると、温もりが心地いい。
眠たくなってくる…

「本当はもっと触ってたいけど、小休憩中だからそろそろ帰らないとね」
「あ、はい。そうだ、何か飲まれます?私が買いますよ」
「ありがとう。でもその前に…」

いきなり体の向きを変えられたと思ったら、うなじに針で刺されるような痛みが走った。
しかも3回…

「うっ……」
「はぁ…キスマーク付けたよ」
「ち、ちょっと!?」
「他の男に盗られない為に付けた。このままだと誰かにアト、見られちゃうね」

スマホでうなじを撮影して確認すると、3ヶ所満遍なくキスマークを付けられており、隠す為には後ろ髪を下ろさないといけない…
いくら休憩中だからって、跡を付けるなんて…

「飲み物だけど俺は…いっ!?」

繁正さんが自販機の方を見た隙を突き、うなじを軽く抓ってみた。

「えっ!?何した!?」
「何でも。仕事中なんですから、自重して下さいよ」
「嫌だった?」
「あ、えっと…嫌じゃなくて…」




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