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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第15章 大事なものが離れていく

気持ちばかりが焦って、向こうの迷惑も考えずにラインや電話を掛け続けたが、10分程しても特に何も向こうから動きは無かった…
そうだよね…退職に追い込んだ程憎い相手からの連絡には応じたくないよね…

「う、うう…」

裏切られて惨めだとか、繁正さんへの怒りだとかそんなものでは無く、ただ泣きたくなった…
元はと言えば自分で蒔いた種、バレないと高を括っていた自分のせいだから…

今の状態でまともに仕事に戻れるわけも無く、アドレス帳からある人の名前をタップした。

『舞ちゃん、どうした…』
「けいちゃん!私もうダメだよ…」
『ま、舞ちゃん!?今どこにいるの!?』
「休憩スペース…」
『分かった、ちょっと待ってて』

涙声で電話を掛けてただ事では無いと察知してくれたのか、すぐにけいちゃんが駆けつけてくれた。

「舞ちゃんどうしたの!?」
「けいちゃん…私…ううう…」

けいちゃんに来てもらったものの、どう説明したら良いのか分からず、けいちゃんに涙が収まるまで慰めてもらった。



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