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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第20章 新しい関係

返事をすると、繁正さんは顔を綻ばせながら、私の左の薬指に指輪をはめてくれた。

「いやー、いきなりプロポーズしたから『しばらく考えさせて』って言われるのかと思ったよ」
「言いませんよ。とっても嬉しいです」

街の灯りに向けて指輪をかざすと、より美しく輝いている。

「綺麗…」
「良かった、喜んでもらえて…ずっと君にプロポーズするタイミングを図ってて、社長になってからした方が良いと思ってたんだけど、木梨社長にアプローチされたのを見てちょっと焦っちゃったんだ…」
「そうだったんですね」

木梨社長の突然の来訪には驚いたけど、大切な人にプロポーズをしてもらい、心が温かく満たされていく。

「この場所は、親父が母さんにプロポーズした場所なんだ。初めて連れて来てもらった時凄く綺麗な場所で、俺もここで彼女にプロポーズすると決めてたんだよ」
「ロマンチックですね。お父様も繁正さんも」
「舞花と結婚したら、親父も喜ぶだろうな。君の事もう1人の娘みたいに接してるから」



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