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第2章 黙ってて欲しかったら、分かるよね…？

角度を変えて唇が吸い付き、指が耳を縁取る。

「……っ」
「気持ちいい？」

間近で男の人に見つめられ、目を逸らせない…
唇の端から舌がチロチロと頭を出し、私を狙っているようで…

ヌル…

「……！」

上唇をねっとりと舐めて、唇の合わせ目をこじ開けようと舌先をねじ込んでくる。
私は全神経を唇に集中させ、舌の妖しい動きに耐えていた。

チュ、チュル…

く、くすぐったい…

「ん、ふっ…」

ヌルヌルした舌が薄く開いた唇を開いた。
上顎から歯列をなぞり、私の舌を突いてきた。
私はギュッと目を閉じたまま、口内で蠢く舌をただ受け入れるしかなかった。

も、もう早く終わって欲しい…

「…怖いの？」
「……っ」
「目を開けて。俺を見て」

ゆっくりと目を開けると、男の人が僅かに微笑んでいた。
けどその眼は私を食べようとする獣のような目付きでこちらを見ていた。

「こういうの、初めて？」
「いえ…」
「…大丈夫。痛い事は絶対しないから…今は俺に抱かれて…」