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秘めた花は彼の腕の中で咲く
第6章 可愛い反応ばかりだと、男装してても抱いちゃうよ?

急いで散らばった欠片を片付けていたら…
「痛っ…」
尖った部分に触れてしまい、指先が切れて血が滲んだ。
カウンターに常備してある救急箱から絆創膏を取って、指先に貼り付け、残りを片付けた。
顔を上げると、繁正さんが申し訳なさそうな顔をしていた。
「ごめん…」
「……」
「…もしかして怒った?」
「へぇ…アレで怒らないと思ったんですか?」
皮肉交じりに答えて、自分の状況を思い出して口を閉ざした。
ヤバイ、生意気な事言ったら写真が…
「そうだな…やり過ぎたな、ごめん」
素直に謝った…
悪いと思ってるんじゃん…
出来ればさっきのやり取りを他の人に聞かれてませんように…
「マリブモヒートちょうだい」
「あ、はい…」
カクテルを出すと、今度は静かにチビチビ飲み始めた。
「すいません」
「はい」
呼んだのは、常連の男性の方。
水曜日に来てくれるお客さんなんだけど、いつも注文は私にさせる。
お酒を置く際に、さりげなくボディタッチしてくるから苦手なんだよね…
女だってバレては無いと思うけど…
 

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