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ドSなお姉さんは嫌いですか?
第1章 古谷(フルヤ)との出会い


「これとこれ、今日出すやつだから向こうに持ってくよ。」

と言ってダンボールを持ち上げた。


すかさず古谷がそのダンボールに手を添え
「持っていきますよ。」
と言ってその後も運ぼうとすると、戻って来た彼が私の手から取り上げ運んでくれた。

眼鏡とのギャップに男らしさを感じた(偏見)
ありがとうと言い、空いた棚へ向かった。

「これは話題作なんだよね。だからここに並べてね。」

「分かりました。こっちのはどうしますか?」

「これはー…そうね。このぐらいあれば大丈夫そうかな。」

「そうですか。俺この作家さんの話好きだけどあんまり売れてないんですかね。」


正直タイトルとジャンルでそそられず読んだことがなかった。

「そうね。この店ではたまーに売れるぐらいかな。私はまだ読んだことないんだよね。」


表紙に向いていた古谷の視線がこちらに変わった。
「確かにストーリー的には万人受けしないかもしれないですけど、世界観が綺麗で引き込まれますよ。」
古谷の目にキラキラが見えた気がした。


「うーん、じゃあ1度読んでみようかな。」
と答えると、ぜひ!と嬉しそうに答えた。
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