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第6章 ゆりこ

結衣はゆりこに責任転嫁しホッと胸を撫で下ろしていた。
結局、結合部ポラ事件はゆりこだと決まり収まったようだ。
あの後、実際に結合している写真が無数見つかったのも事実である。
それは、本当のバラ撒き事件のポラではなかったが、ゆりこがノイローゼになったあとに写されていた写真だった。
部屋に散乱していたのを見た人がいた。
窓ガラスに佇み、乳房など揉まれていた時に夜な夜な現れた男らにバチコン！バチコン！と性処理に利用されていたらしい。
バチンバチンと夜中に廊下まで鳴り響いていたらしい。
その時に映された写真だ。
何だ。つまんねえな。いなくなっちまいやがった。
稼がせてもらっていたのに。美人だったし。
タダみたいな女だったからなぁ。
一回5000円で50人くらい回転してたからなぁ。
たかが1か月くらいだったが、750万は稼いだからな。
ゆりこは親戚をたらい回しにされ、ある一箇所に落ち着いた。
半ば、ゆりこを無理矢理押し付けられたようで、迷惑な顔をしてはいたが、ワクワク感もあった。
さ、さ、ゆりこさん。自宅だと思って。
親戚からも見放されたゆりこは、売り払ったマンションの金だけを親戚を全て持っていかれて無一文で放り出された。
引き取った相手も親戚の家の近くに住んでいた人で、一応世間体のために結婚していると見せたかったのだろう。
40も半ばの男だ。
男はマンションの資金は全くいらないとの条件にゆりこを引き取った。
ありがとうございます。私なんかを引き取っていただきまして。
何でも致します。お申し付けください。
あ、気づかなくてすみませんでした。
フェラチオですか？乳房ですか？
あ、すみません。お○んこですよね？やっぱり。
男は驚いた！何言うんだろうか。この人は。美人なのに。
もう散々頭に叩き込まれた挙げ句のセリフだろう。
貴女は、私の妻です。
私たちは結婚したんですよ。
ここは自宅なんです。あなたの。
くつろいで生きましょう！
ゆりこは涙を流していた。もう何ヶ月泣いてなかったか。
ゆりこが久しぶりに見せた人間らしさだ。
あなた。。。
ゆりこは結婚生活を取り戻した。
次第に笑顔さえ見せるようになる。
そんな彼女だが、そう長くは続かない。報われない。
彼女はそういう星の下で産まれたらしい。
来客が来るたびに、ビクッとする。
顔がこわばり、震える。
なんて事はないただの来客にも。