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第3章 これは恋


 家に帰ってからママに速攻メールしたんだ。


 今、家に着きました。
電車だと反対方向で遠回りなんだけど、道路で直線距離を走ると夏帆ちゃんの家と俺の家は案外近所です。
ゆっくり休んで下さい。
また会える日楽しみにしてます。
って言っても明日だよね。
今から凄い楽しみです。
おやすみなさい。
俺も寝ます


 多分俺はニヤニヤしながら携帯を弄ってたんだろうな。
隣の部屋に居るはずの歩が「おはよー 朝帰りですか?親父」と言いながら俺の部屋に入ってきた。

 「あっ、あ、あ、おはよう」

 何もかもお見通しのような顔で、「今日は息抜きの日なんでカラオケに行ってくる予定なんですが」

 「受験生にも息抜き大事だよな。
小遣いか、あっ、カラオケで歌って飯でも食って羽のばせよ!」

 ご機嫌な俺は財布から五千円札を抜き取り、歩に渡す。
疚しい事はしてないのに弱味を握られたような気がした。

 「有難う。親父
ゆっくり休んでね!
親父にも息抜きは大事。
俺はいいと思うんだけどさ、た、だ、し、ばあーちゃんはいい歳こいた親父の心配をしてましたので一応報告まで」

 「ああ、分かった。
今はまだ寝てるみたいだから、会った時にでも」

 
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