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第6章 甘い夜の温もり

 人を好きになるというのは、本当に一瞬にして心を奪われてしまうという事なんだと夏帆を見ていてしみじみ思う。

 最初は最悪だった。
『この女はない』と思ったはずだった。
美人というわけでもない。
スタイルが飛び抜けていいわけでもない。
正直、俺は巨乳好きだ。
エロビを見るなら、大きなオッパイで色気ムンムンな女に限る。
でも惚れてしまえば、仰向けに寝るとなくなる残念オッパイでも愛しく思えた。
夏帆の天然に翻弄されながらも、それを楽しんでいる自分も居た。
憎めない可愛げというのが心に棲みついていき、寧ろ何をしでかすのか先の分からない展開は刺激的だ。

 学生の頃、モデルにしてもいいくらいのスタイル良し、顔良しの子が俺を口説いてきたけど、俺はその子に堕ちる事はなかった。
何故か気持ちがその子に向かなかったんだよな。
仲間からは勿体無い、何故付き合わないと散々言われた。
あの子を彼女にしたら、連れて歩いたら自慢だっただろうに……
でもときめかなかった。
なのに夏帆にはときめきっぱなし。

 多分、俺は手を繋いで一緒に歩いていける女が好きなんだ。
ついてきているか心配しながら歩いたり、ずっと先の方を歩いて行ってしまう女には懲りてしまったのかもしれないな……

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