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永遠の愛を奪って
第9章 大切なのは……



「大切なのは小春だから」


「えっ……」


「昨日、穂並さんに言われたんだよなー……。誰にでも優しいことはいいけれど、その優しさが大事な人を傷つけることもあるからもっとしっかりしろって。

だから、帰り道を歩きながら色々考えていた。もっと小春のことを大切にしないとなって」



青木くんに何か言っておいたと穂並さんが話していたけどこういうことだったんだ……。

やっと私の中で話が繋がった。


勇気を出して自分の気持ちを話して蓋を開けてみれば、こんなにも幸せな真実が待っていた。


悩みを話してお婆ちゃんが教えてくれたことが脳裏を掠める。


自分には見えなかった真実が温かいもので治まったはずの涙がまたじわりと浮かんできた。



「彼女である小春が葉月よりも大事だから、オレは小春を選ぶよ」


「青木くんっ……!」


その言葉が贅沢だと思うほど幸せで、他人に見られるかもしれない場所だと言うのも気にせずに青木くんの胸に飛び込んだ。


ぐしゃぐしゃになった化粧に涙と鼻水でまたスーツを汚してしまったと思う。


でも許してくれるほど私をそっと抱きしめる青木くんの両手は優しかった。


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