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永遠の愛を奪って
第19章 溺愛とさよならの決心



「私はそんなこと言ってないんですけど……」


「そうよね。よかったー……。青木と真逆の方に行きたいとか思わないもんね。
喧嘩して別れたがってるのかなって思ってヒヤヒヤしたわよー……」


安堵するようにはぁっと息を吐いた穂並さんは、自分のデスクの椅子にストンッと腰を下ろしていた。


それでも信じられなくて両手で持っている書類にもう一度目を通してみた。


しかし、何度見ても私に転勤が命じられている内容しか書かれていなくてヒヤリとする。



「あの……。面接の時に転勤はしないって答えたんですけど、どうして私なんでしょうか」


「それはそれ、これはこれでしょ。でもなんで小春なんだろうね?小春が今抜けたら仕事が大変になるのに」



「実は、休憩の時……――――」


うちの課で唯一信頼できる穂並さんに休憩時間にトイレで聞いたことを耳元でこっそり話してみることにした。


すると、悪口を言っていた女性社員が近くにいないことを確認してから静かに返事を返される。



「それって嫌がらせじゃん!あの女たち、お局様と課長と仲がいいからすぐに要望が通るのよ。

でも異動を希望してるって聞いたから、やっぱり行きませんって断ったら……小春もここにいられないかもね……」



「えええ……!?」


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