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恥ずかしい真昼の車内
第3章 転
ボタンから手を離した途端、ちづるは、ひとまずほっと息をついた。

そのとき、最後尾の女の子がチラッと車内を覗いた。

歩みを止めずに、不思議そうな顔をして、車内をじっと見つめていた。

彼女の視線は、私とちづる交互に注がれていた。

ちづるに目をやると、同じように女の子を目で追っている。

警戒を怠らない。

ただ、女の子だけに気を取られていると、私への警戒を怠ることになる。

その集団が行ってしまって、気を緩めたちづるに、

「ちづる、ごめんね。お前が、あんまりにも可愛くって。我慢できなくなって・・・ほんとに、ごめん。でも・・・」

と本当に申し訳なさそうに、そして優しく言葉を掛けた。

私の顔を見ずに、離れてゆく集団を見ながら

「でも?」

とちづるが聞き返してくる。

「ちづる・・・お前のことが好き。だから、マフラーを取り返そうともみ合っているうちに、どうしてもキスしたくなって。で、困った顔をするもんだから、可愛くって、可愛くって、いじわるしたくもなって・・・」

しばらくしても、なんの反応もしない彼女。

その肩をひっぱって、前を向かせようとする。

が、こちらを見ようとしない。

彼女の肩を揺らして

「ちづるは、俺のこと好き?」

と聞いた。

ややうつむき、身体を揺らせるに任せたまま、彼女は無言を押し通す。

「俺は、お前のことが好きなんだけど、お前が俺のことをどう思っているのか・・・気になる。何も思ってない男のマフラーを取る、なんてことするのかな?どうなの?俺は、本当にちづるのことが好きだけど」

耳元で囁くように言う。

ちづるは、チラッと一度、私に視線を送って、すぐにそらし、下を向いた。

そして、

「いつから?」

と呟いた。

「1年前に入会したよね。そのときは、実際なんとも思ってなかった。塾生の一人として見ていたし。授業をするようになって、2ヶ月くらい経ってから、学校でわからない問題を質問してくれるようになったよね。それから、授業終わった後にカウンター越しに、学校のことを話してくれるようになって。ちょっとキツイ冗談を言って笑った顔が、可愛いなあと思うようになって。いつからと言うのはよくわからない・・・特別な何かやエピソードがあるわけじゃないけど、知らないうちに、お前の授業の日が楽しみになっていった。そしたら、好きになってた」
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