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咲の旅物語
第17章 街道の孤児院
ディラが「気をつけろ」と言った理由。


飛ばされた壁際にいたチョイチョの様子がおかしい。


モワッと黒い靄を纏い、目は座っている。


ただ、口許は歯茎をむき出しにし笑って咲を見ている。
さらに、股間は再び膨らみ…


「わぁ…。」


ドン引きになる咲であった。


「う…美しい…」


チョイチョが声を出すと、益々咲の顔がひきつる。


「気持ち…悪っ…」


ねっとりとして、高いのか低いのか分からない声色。


「俺様のコイツを貴様に与えてやろう…」


ニタァと口は耳まで避け、自身の根を握りゆっくりと咲に近づいてきた。


―あー…、何かに憑依されてる…?


咲は残った事を物凄く後悔した。


憑依しているのがなんなのか、更に人から引き離す為には直接繋がらなければならない。


「……やだぁ…」


ジリジリと近づくチョイチョに対して、咲はジリジリと後ずさる。


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