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咲の旅物語
第17章 街道の孤児院

「マーラさん、ジャックさん。ここで孤児院を経営してください。」


戻った咲が食堂に全員を集めて今後の事を伝えていた。


「しかし、我らの地位はなくなり収入がない…。経営は困難ではないか?」


ジャックは貴族として仕事があった。

だが、今はミューラン家により取り潰されている。


「それは大丈夫。収入源として全員にギルドに登録してもらいます。」


マーラとジャックはギョッとした。
幼い子供達をも登録させるとは殺す気かと。


「なっ!」


ジャックはやめさせるよう、立ち上がろうとしたとき、咲の手に制された。


「ディラの亜空間で少しの間、鍛錬をしてもらうわ。講師は私達。」


「さらに、施設の庭と並行して亜空間の畑もやってもらう。」

ディラが続ける。


「亜空間の…?」


「そ。そうすれば野菜や果物は沢山取れるよね?そしたら、施設で使う物以外は売ればいいの。」


にっこりと咲は頷く。


「やる~!」


子供達は元気に手を上げる。

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