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咲の旅物語
第17章 街道の孤児院

咲は柔らかく笑うと


「とにかく、スラムに行ってみます。
ひとまずは、子供達とこちらで休んでいてください。」


事情はわかった。


生活できなくなり、子供達を助ける為に施設を訪れた。


咲とディラは部屋に戻り、久しぶりに羅針盤に魔力を注ぐ。


針がグーンと動き、ラークの言うスラムの方向でピタッと止まる。


「近くに居たってこと…。」


咲達がルアールに来たときには、反応が無かった。


つまり、最近、何らかの影響を落とす為にルアールに世界神、もしくはその手下が来ていた事になる。


「スラム…か。」


地球でも似たような話を聞いた事があるが、どの世界にも存在するようだ。


ギルドがあるから、まだ生活しやすい筈なのだが…。
以前、世界の現状(ルアールの現状と称して)を聞いたとき


「それに必要な教育が富裕層にしか与えられてないのだ。」


とジャックが言っていた。


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