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クリスマスイブの最低なプレゼント
第1章 プレゼントは私
クリスマスイブ。
それは恋人たちにとって重要なイベント。
私はどうかって?
もちろん重要なイベント。


大学生になって初めて付き合った彼と過ごすと決めている。
と言っても私が勝手に決めたのだが……。
クリスマスイブの夜に彼氏の家にサプライズでお邪魔する。


彼と一緒に食べるために作った手作りのクリスマスケーキ。
そしてちょっと恥ずかしいけど、サンタのコスプレ。
ケーキなんかそっちのけでいきなり襲われちゃうかも。
そんな妄想しながらコートの下にはサンタのコスプレを隠して彼の家に向かう。


何度か行ったことのある彼の家。
初めて行った時はめちゃくちゃキレイでビックリした。
私が来るっていうから一生懸命掃除したらしい。
私はそんな彼のかわいいところも好きだった。


彼の家の最寄り駅を降りて彼の家に向かって歩く。
私の気持ちは高揚していた。
どんな顔をするんだろう?
そのビックリした顔が見ものだ。


彼の家のアパートは一階の103号室。
何度かお邪魔するようになって合鍵も貰っている。
自分が信用されているっていう証だと思うと嬉しい。


103号室の前に来て私のドキドキはとまらない。
ここまで来たんだからもう帰れない。
私は合鍵を出して鍵穴に差し込む。
『ガチャン』と鍵が開く音がした。


そーっと玄関に入る。
私は小さな声で「お邪魔します」と言った。
玄関は暗かった。
私は靴を脱いで家の奥に入っていく。

彼のアパートは玄関を入ってすぐ右手にキッチンがあって、まっすぐ進むとリビングがある。
暗いキッチンを通ってリビングのドアの前に立ち止まる。
一回深呼吸をする。
コートを脱いでサンタのコスプレになって準備万端。
ドアを開けた。
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