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クリスマスイブの最低なプレゼント
第2章 クリスマスイブなのに……
「メリークリスマス」
ドアを開けて部屋に入る。
部屋は薄暗く彼がいるのかいないのかもわからないと思った時だった。


「ハア、ハア、ハア、ハア、あ……ううん」
息遣いが聞こえるそれも女の切羽詰まった声。
「ううん? ハア、ハア……。宗ちゃん。誰か……。きちゃったよ……」
「はあ、はあ、はあ……え?」



こういう時って声も出ないんだって思った。
薄暗い部屋のベッドの上で見たことのない女が裸で座っている。
そして宗ちゃんと呼ばれた私の彼氏、宗介はその女の下で仰向けになって寝ている。
「ハア、ハア、ハア、ハア、宗ちゃん……たぶん、彼女さんだよ……」

宗介はそう言われてカラダを起こしてこっちを見ようとするけど女が「ああ……宗ちゃん。……きも……ちいい……から……このまま……このままで……」と言うのだ。
そして女は自分の指を咥えながら腰を上下に振る。

「おい……なんで……そんな……腰振るんだよ」
宗介は女に抗議するけどその声は抗議しているようには聞こえない。
女の騎乗位が更に激しくなる。
その度に女のおっぱいが上下に揺れる。


女のおっぱいは私なんかとは比べ物にならないほど豊かだった。
その豊かさを私に見せつけるかのように腰を上下させておっぱいを弾ませている。
なんで私はこんな光景を見てるんだろう?
クリスマスイブだったいうのに……。


そう思った瞬間、私は我に返った。
「何してるんだよ」
私は宗介にこの時初めて(これで最初で最後の)ありのままの私を見せたのかもしれない。
男みたいな口調でそう叫び、宗介の顔にめがけて手作りケーキが入った箱を投げつけた。


「イッ……」
宗介の小さい悲鳴が聞こえたけどそんなのは無視した。
コートを抱えて私は部屋を飛び出した。
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