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第30章 　計画

　そして現在、数年前に世界規模で決まった“人類減滅(めつげん)計画”。
　全くランダムに選ばれた成人が、次々と消えていく。
　ランダムだが、日本経済に影響を及ぼすような人物は最初から除外。
　天皇の家系や総理大臣、警察の上層部など、政治や治安に関係する者。
　一流企業の上層部やオリンピックの強化選手になるような者。ノーベル賞候補といわれるような研究をしている者。素晴らしい作品に出た俳優や、功績があると認められた芸能人。芸術家などもそう。
　そういった“特別”な者は全て初めから除外。
　消えていくのは、全て一般市民。
　そう。僕のような平均的な能力の者が次々と消えていく。
　それが何人なのか、いつなのか。誰なのか。方法も公表されていない。
　だから平均的な僕のような者は、毎日怯えて暮らしている。
　妻もそう。子供さえ話題にしていて、自分の家族がいつ“滅減”されるのか不安がっている。
　明日は僕かもしれない。
　そんな中生きて行くのは、拷問に近い毎日だ。


　了


　“平均的”にだって何か魅力はあるはずです……。