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SS作品集
第35章  ハロウィーン


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 しかし、私には少し厄介な部分もある。
 それは、翌朝の清掃。
 私はその街の作業員の一人で、翌日の昼までに歩行者天国を綺麗にしなければならない。
 ゴミだけならまだいい。
 大変なのは遺体の処理作業だ。
 そこで行われるハロウィーン・ナイトは、“死の祭り”とも呼ばれている。
 金網の中は無法地帯。
 つまり法律の通らない場所となる。
 入れるのは20歳以上と限定され、入口で身分証明証を確認するが、後は何をしても自由。
 殺人や自殺の数は、年々増えている。
 殺したい者は凶器を持って入り、殺されたい者は普通のコスプレだけで入る。
 一度金網の外から見たことがあるが、血のりを付けているのは殺したい者だけ。
 殺されたい者の血は本物だ。
 朝清掃に行くと、歩行者天国は遺体の山。それをトラックに積み込むのは、結構な重労働となる。
 自殺志願者は死ぬ前に騒いでからがいいということで、殺人が始まる時間は決まっているらしい。
 自分で命を絶つより楽だとも聞いたことがある。
 最近の若者のすることはよく分からない。
 そして国も何を考えているのか。
 定年まで後五年。
 それまで私は、毎年遺体の片付けをしなくてはならない。
 こんな制度、早く廃止になって欲しいと願うばかりだ。


 終わり


 あなたは参加しますか? どちらの気持ちで……?




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