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第3章 　“春”を探しに　風太

　大きな草のところを通って行くと、さっきの大きなヤツはもういない。またフカフカの草の所も通って、勢いをつけて塀に飛び乗る。
　ここまで来られたら大丈夫。
　でも、ボクと同じ黒い色のお花が無かったのはちょっと残念。
　ボクは塀を走ってお家へと戻った。
　屋根から窓に飛び移った時、なっちゃんがボクを抱き上げてくれる。
「風太、どこに行ってたの？　心配したんだから」
　なっちゃんはお家の人で、よく遊んでくれる一番の仲良し。凄くやさしいし、ゴハンもくれる。
　お家のママとパパとお兄ちゃんも大好き。
「ミャアー」
「はいはい。もうゴハンの時間ね」
「ミャアー、ミャアー、ミャアー」
　なっちゃん、ボクいっぱい“春”を見つけたよ。
　ゴハンを食べたら、ボクが見つけたものを全部教えてあげるね。


おわり



　風太の冒険は、シリーズになっています。
　また、次回に……。