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SS作品集
第16章 地球滅亡
各国が連携して、何とかという巨大惑星を打ち砕く計画は持ち上がっているそうだ。
一斉にミサイルを打つとか、核爆弾を放つとか。
だがどんな抵抗をしても、現代の技術では無駄だと専門家が言っていた。
私は、ある有名企業の取締役をしていた。だから70歳になった今も、金は余るほどある。
両親は既に他界。妻も3年前に他界して、子供もいない。一人っ子だから、遠い親類がいるくらいだ。
広い一軒家に暮らしで手伝いも何人かいたが、みんな退職金をせびって辞めていった。
介護のため、ヘルパーが週に3日訪れるだけ。
末期ガンで余命数ヶ月の私に、地球がどうなろうと関係ない。
外出さえ、ままならないのだから。
地球滅亡なんて、私にとっては、ただのくだらない話にすぎない。
了
彼の命と地球。どちらが先に……。