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SS作品集
第23章 1143円
家に帰っても、さすがに卵はもうない。
途中でスーパーへ寄り、今度は卵だけを買った。
186円の出費。
残りは673円だ。
10個入りの卵だから、一個ずつ使っても10食分。あとはふりかけで補うしかない。
そうやって二日を乗り切ったが、本当に体調が悪くなってきた。
大食漢ではないが、米と卵とふりかけだけじゃさすがに持たない。
だが、やっと休日。
週明けには、給料が振り込まれる。
それまでの我慢だ。
給料日に、俺はステーキランチを食べた。
同僚も、やっと体調が良くなったと安心してくれている。
肉がこんなに美味いと感動した。
今なら、安いコマ切れ肉でも感動しただろう。
残業をしてから家へ帰り、貯金箱へ500円玉を入れようとした。
もう入らない。
いっぱいのようだ。
金欠の間は無理だったが、俺は毎日500円玉貯金をしている。
アルミ缶で出来ていて、缶切りを使わないと取り出せないものだ。
いっぱいなら仕方ないと缶切りで開けてみた。
中身を数えると、9万8500円ある。金欠の間も、これには手を付けなかった。
明日にでも、銀行へ預金しに行こう。それに、新しい貯金箱を買わなくては。
いつもこうしているから、貯金は数百万になっている。
俺は堅実な男なのだ。
おわり
この人。何がしたいんでしょう……。