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天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第10章 大男の目にも涙


ザドルは自分の顎ヒゲを触り暫し考えていたが。

…えぇい! 考えたって始まらねぇっ!!


そう思いたつと、ティムに歩み寄っていった



背後から大きな影がティムの体を暗闇に落とす‥


「!‥ あ、おじちゃん…」


ティムはザドルに気付くと手の甲で顔をゴシゴシと拭った…
ティムの目は赤く腫れている。



ザドルはそんなティムになんて言葉を言えばいいか分からず、無言でティムの頭にぽんと手を置いた

大きな手に優しく頭を包み込まれ、安心感を覚えたのかティムはぽつりぽつりと口を開く


「ズッ…‥‥

たたいちゃった‥‥

あんなに小さいのに‥

顔たたいちゃった‥‥‥ ズッ ‥」



鼻をすすり、ティムは自分がジョンに手を上げたことを後悔していた…
ザドルは何も言わずただ微笑みティムを見つめ頷く



「‥だって‥

心配したのに、みんなっ‥

‥すごく心配したのに …


……もう、会えないかもっ!
…って‥‥

村のみんなみたいにっ
二度と会えなくなるんじゃないかって!!」



ティムの瞳から再び大粒の涙が流れ落ちる

ティムは不安で不安で耐えきれなかった。

村にいた時の恐怖が鮮明に甦る‥



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