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第9章 片瀬くんの残り香

ご主人様は結局、口で出させた後、片瀬くんを帰してしまった。
なかなか悪女なご主人様。

「あ……かーや。話したいことがあって電話しちゃったんだけどいい？」
「そうそう。片瀬くんのこと」
ご主人様は友達の『かーや』と呼ばれている女性と電話を始めた。
この『かーや』は以前、ご主人様が片瀬くんのことを相談していた友達だった。

「うん……そうそう……それでね……しちゃったんだ……」
「だから……その……エッチなことだよ」
「え！　最後まではしなかったんだ」
「そう……最後までしないで帰しちゃった」
「かわいそう？　まあそうかもしれいけど……すぐにやらせてもらえるって思われるのはイヤだから……それに片瀬くんは焦らされるのが好きだと思うからこれくいが調度いいんだよ」
「あんまり焦らしずぎちゃダメだって？　わかってるよ。大丈夫。片瀬くんは大人しいから……うんうん……わかった。じゃあまた進展あったら報告するね。かーやも何かあったら連絡してね。うん。それじゃあおやすみ」