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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第3章 紫陽花の夜に
「家が貧しくて、私が実入りの良い働き口を探したのです」




 そう言われ、今更ながらに想い人について自分は何も―名前さら知らずにいたことに気づく。





「そなたの名は? 両親は何をしていたのだ?」
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