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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第3章 紫陽花の夜に
「実入りの良い働き口を探したというが、金が入り用なことが何かあったのか?」




 その問いには、しばし躊躇いがあった。






「父が病で倒れました。働き手が倒れたので、母と私で何とか店を切り盛りしていたものの、やはり店を閉めなければならなくなって」
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