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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第3章 紫陽花の夜に
「あんた、幾ら何でも運動神経が悪すぎ」



 チェスンは黒目がちな大きい瞳を見開いた。


「私、そんなことを言いましたか?」


 少し思案した後、両頬に手のひらを当てた。


「確かに、ちょっと失礼すぎますね」


 その仕草は、傍から見ると抱きしめたいほど可愛い。
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