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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第15章 もつれた糸

ソンの態度はどこか妙だ。双眸には間違いなく情欲の焔が烈しく燃えているのに、表情も声音も半ば虚ろで、感情をどこかに置き忘れてきたかのように見える。
「チェスン、自覚はないかもしれぬが、そなたには危うい色香がある。嗜虐心をそそるといえば良いのかどうか。穢れなき純白の花を人は美しいと感じるが、同時に苛立たしさをも憶えるものだ。あまりに清らかすぎて、滅茶苦茶にしてやりたい、踏みにじってやりたいとさえ思う。そなたは男の心を捉えて放さない魔性を持つ。どんな鉄壁の自制心を持つと自負する男でも、そなたが微笑みかけただけで堕ちるはずだ。そなた自身は男を誘惑しているなぞ思いもせず、その無垢で危険きわまりない微笑みですべての男を絡め取り骨抜きにする」
「チェスン、自覚はないかもしれぬが、そなたには危うい色香がある。嗜虐心をそそるといえば良いのかどうか。穢れなき純白の花を人は美しいと感じるが、同時に苛立たしさをも憶えるものだ。あまりに清らかすぎて、滅茶苦茶にしてやりたい、踏みにじってやりたいとさえ思う。そなたは男の心を捉えて放さない魔性を持つ。どんな鉄壁の自制心を持つと自負する男でも、そなたが微笑みかけただけで堕ちるはずだ。そなた自身は男を誘惑しているなぞ思いもせず、その無垢で危険きわまりない微笑みですべての男を絡め取り骨抜きにする」

