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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第15章 もつれた糸

何という酷い科白だろう。これほどの侮辱はなかった。結局、ソンは風燈祭殺人事件の時、妓房の女将が突きつけたのと同じことを言ったのだ。あの時、女将は言った。
―あたしは、お嬢さまのような女ってえのを苦界で見たことがあります。あたしたちの間では、そういう魔性の女を傾城というんです。国を傾けるほどの良い女って意味ですよ。でも、傾城は良い女どころじゃない。その女に男はぞっこん惚れて、惚れ抜いたら骨抜きにされちまって、我を忘れるほど狂うんです。あたししゃ無学ですけど、外国には、そういう女に血迷って国を滅ぼした愚かな王さまがいるっていう話ですよ。
―あたしは、お嬢さまのような女ってえのを苦界で見たことがあります。あたしたちの間では、そういう魔性の女を傾城というんです。国を傾けるほどの良い女って意味ですよ。でも、傾城は良い女どころじゃない。その女に男はぞっこん惚れて、惚れ抜いたら骨抜きにされちまって、我を忘れるほど狂うんです。あたししゃ無学ですけど、外国には、そういう女に血迷って国を滅ぼした愚かな王さまがいるっていう話ですよ。

