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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第3章 紫陽花の夜に
 王なんて、つまらない。例えば、権力にたまらない魅力を憶える者であれば、確かに王という地位は蜜の味がするのかもしれない。日々、労働もせず、ただ美々しい服を着て山海の珍味を味わい、後宮の美しい女たちを片っ端から味見する。






 後宮に美女三千あり、とは少し過剰表現だが、確かに後宮という場所は、王ただ一人のために美姫が集められた場所である。
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