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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第2章  Q 02「疑問の意味」


 中には、ペットボトルの水。メモ帳とボールペンに方位磁石。1メートルほどのホースと、数メートルあるロープ。後は何か分からない万歩計のようなもの。大きな画面に、デジタル数字が出ている。
「オレは、21になってるけど?」
 言いながら、奏汰が梨沙の機械を覗き込む。
「私は18だけどぉ? 美織は?」
「32だけど、何だろう……」
「僕は28。何かに必要かもしれないから、持ち物は自分で管理しよう」
 生徒会長を目指すだけあって、リーダー的要素を感じさせる口調。
「でも、ロープなんて……。何させられるのかな……」
 不安気に言う美織の肩を、奏汰がポンと叩く。
「何かあったら、オレが助けるから。みおは、50キロも無いだろう?」
「そんなにないわよ……」
 150cmほどの美織は不満な表情だが、奏汰は全く気にしていない。
「ここでは、何をすればいいんだろう」
 拓也の言葉に、全員が現実に引き戻される。
 室内にあるのは、立派なソファーセットや複数の本棚にタンス。絵画も二ヶ所に飾ってあり、さっきの部屋のような豪華なチェスト。天上からはシャンデリアが下がっていて、ドアの左側には大きな窓。
 見えているのは、やはり森と空だけ。
 拓也が窓を調べてみるが、やはりさっきと同じで、割れるものではなかった。
「手分けして、何かヒントを探そう」
 頷いてから、梨沙が部屋の角を指差す。
「あれ見てっ」
 部屋の角にある可動式ワゴンに、四人が駆け寄る。
 ワゴンの上にあったのは、アフタヌーンティー用の軽食と紅茶。四つのカップから、まだ薄っすらと湯気が立っていた。
「淹れてから、そんなに時間が経ってないってことだよねぇ?」
 梨沙の言葉に、三人が頷く。
「最初の手紙にあったよね。みんなが君達を見守っている。って……」
 美織が呟いたが、最初に見た文字だから全員何となく内容は覚えていた。
「僕達が来る少し前に、紅茶を置いたんだろう。だったらこの部屋のどこかに、別の出入り口があるはずだ」
 拓也が足元に袋を置いて腕を組む。
「僕達が来た方向に戻れば、会うはずだ。その前に、犯人はこの部屋のどこかから出た……」
 それを聞きながら、奏汰はソファーをズラして乗り、そこから本棚の上に移った。


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