パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第1章 市内プールにて

　本格的に泳ぐわけじゃないから、まだキャップはしていなかった。ゴーグルと一緒に競泳水着の紐の部分に挟んである。

「弘人は泳がないの？」
「眺めてる方が楽しくて」

　隣に腰を下ろしながら、彼はにやりと下品な笑い方をした。

「何を？」
「水着姿の人妻とか？　毎日大学じゃ競泳水着ばっか見てるから、ビキニとかワンピは新鮮なんだよなー」

　小声で耳打ちするように言う。
　言いながら、視線はあたし達から十歩近く離れた若い女性のところへと向く。隣には小学生とおぼわしき女の子。女性は水色のビキニだった。布の面積がわりと小さくて、子連れのお母さんが着るビキニにしては露出度が高い。

「うわー、変態だ」
「男なんてみんなそんなもんだって」

　そうして今度はあたしの体に視線を向けてくる。上から下へゆっくりと、それこそ舐めるように弘人の視線が這っていく。
　あたしは思わず両手で自分の体を抱きしめるようにして、弘人と逆方向に体を向けた。