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第1章 市内プールにて

　水着姿など毎日見られているし、今さら恥ずかしがるのも変かもしれないけど。
　今は水の中じゃない。露出の多い体をプールサイドでさらけ出すのは、泳いでいる姿を見られる何倍も恥ずかしく思えた。
　プールのまわりにいる何人かの監視員が、また一斉に笛を鳴らした。
　一斉休憩が終わる合図だ。そわそわしていた子供たちが立ち上がり、またプールの中へと入っていく。勢いよく飛び込んだ男の子を注意する監視員を横目で捉えながら、あたしはこう提案した。

「そろそろ競泳プール行く？」

　流れるプールじゃがっつり練習できない。

「……いや、もう少しだけここがいいかな」
「流れるプール？」

　あたしは首をかしげた。さっきだって、弘人はほとんど泳がなかったくせに。
　再びプールに体を浸けながら隣を見ると、弘人との距離が妙に近かった。鍛えぬかれた体にドキリとする。