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あなたからは逃げられない
第3章 それは私のすること



「聞いてる。言っちゃダメな理由は?」

悪びれる様子もなくサンドウィッチを食べながらコーヒーを飲んでいる。


「付き合ってるってまだお試しなのに?
奈々はこういう話大好きだから根掘り葉掘り聞かれちゃうじゃん!」

「聞かれても答えなければいいだろ。」

そんなこと出来ないよ。この二年毎日一緒に居た友達なのに。
彼氏がいなかった私は3人の恋バナをするとき気配を消していた。

理央は高校時代からの彼が居て、彼が県外の大学へ進学したから遠距離恋愛中。
奈々もバイトの先輩と付き合うことになったと喜んでいた。


あの奈々の話し方からすると多分失恋だと思う。
大事な友達だから無下にしたくない。


「いえ、ちゃんと話します。...話すよ。
奈々と理央は友達だし嘘はつきたくないから。それにそんなことすると龍輝さんにも悪いし…」

「俺?」

「そう。だってお試しだからっていっても付き合っているのは事実でしょ?こうして泊まったりもしてるし。
なのにそれを友達ですなんて奈々たちに説明するのはちょっと違うかなって...」


私がそう言うと龍輝さんはすごく嬉しそうに笑い、いいな、葉月から付き合ってるって言葉を聞くの。と意味わからないことを言った。


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