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あなたからは逃げられない
第1章 あなたとの出会い



スーツの男は部屋から無言で出ていき私はしばらくボォーっと外を眺めた。

翌日医師の診察を受けて私は無事退院した。

病院の会計窓口に行き名前を言うと『お大事にー』と言われた。


「あの支払いは…?」

『ありませんよ?
お大事になさって下さい』


あの看護師さんが言っていたことは本当だったんだ。
あの霧島貿易の社長払っているならば、いずれはこのことがバレて父から帰ってこいって言われかねない...。

私は学校を休むのも嫌だったからそのまま短大へと足を進めた。


青蘭短期大学の秘書科

これが私の通っているところ。教室に入ると仲良しの二人が飛んできた。

『はーちゃん大丈夫なの!?』

私をはーちゃんと呼ぶのは大山理央。
理央はすごく小さくていかにも守ってあげたい女の子だ。

『葉月!?』

名前だけ言ったのは作道奈々。
奈々ははっきりした性格のサバサバ女子だ。


「二人ともごめんね。心配かけて。
でもどうってことないから大丈夫よ。」

あえてそれ以上のことを話すのを辞めた。
どこから親に伝わるか分からないから。

私はそれだけ言ってあとは毎日をビクビクしながら過ごしていた。




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