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蝶々と甘い蜜。
第6章 蝶が羽ばたくとき
「海外、行ったことないの?」


「はい…海外どころか、大学を卒業してからずっとここからどこかへ行ったことありません。」


「一泊旅行とかも?」


「……はい。」


三島にいつ呼び出されるかと思ったら
一泊でさえもどこかに行くなんて考えてもなかった。
でもこうやって人と話をしていると
私は三島に依存し続けてつまらない人間になっていたんだろうって思える。


「3か月したら、遠くに行くって決めているんです。でも、どこかはまだ決めていなくて……」


「色んなところに行くといいよ。自分の世界が広がるから……そして、かえってきたくなった時に帰ってくればいい。私みたいに。あ……彼、帰ってきたよ。」


「あ、気づきました?よかった……これ、何か食べれそうなものを。」


福田から渡されたビニール袋にはゼリーやプリン、サンドイッチ、おにぎり、お弁当、パンなど色んな食材がたくさん入っていた。


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